信じてるぞ、ハッピーエンドタグ!

著者も書いているように、展開はすごく穏やか。
でありながら、それが苦なのではなく、じんわりと、しかし確かな変化の歩みとして受け取れるため、確実に作品の魅力として昇華されている。
日一日を刻むように紡がれていくお話と、確実に成長を続けるカウティス王子、そして彼に感化されているのか、変化していく水の精霊。
しかし、カウティスは王子という高貴な立場で、精霊は人知を超える力を持った存在。
その二人の変化を、ただ眺めているだけの人間だけではなく、良くも悪しくも二人に影響を及ぼす影が存在する。

個人的には穏やかに結ばれてほしいなぁ、と願うばかりなのですが、この手の話はこじれてなんぼという側面もあります。
困難があればあるほど、恋愛というのは激しく燃え立つのでしょうね。
果たして二人の行く末が異種婚姻譚として落ち着くのか、それとも……。
タグの『ハッピーエンド』を信じて読み進めたいところです。(切実

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