恋愛を主軸とした美しい世界観と愛に溢れる登場人物が魅力的なファンタジー

「人間の王子」と「水の精霊」の異種族間恋愛を描いたファンタジー作品です。

私が特に魅力的だと感じたのは、圧倒的に魅力的な登場人物たちですね。
魅力的という言葉が渋滞しておりますが、それほどに魅力的です。

子供ながらに負けず嫌いで努力を惜しまない真っ直ぐな主人公に、徐々に感情を開花させてゆくヒロインなど、とにかく主要な人物に好感が持てます。

また、彼らを取り巻くキャラクタたちも魅力的で、皆がそれぞれの意思を持った、生きた登場人物であることを感じさせてくれます。
兄弟愛・親子愛など、恋愛以外にもたくさんの愛を垣間見ることができます。

なかには良からぬ考えを持つ人物も登場しますが、彼らもしっかりとした信念を持った人間として描かれているため、どこか嫌いになれません。むしろ好きですね。

物語の途中で少年期から青年期への移り変わりも描かれるのですが、そこでの顔ぶれの変化や王国の変遷も魅力のひとつですね。
それはまるで、ひとつの世界の歴史を見せてもらっているかのようです。
キャラクタの心理描写のみならず、世界観の描写もとても美しいです。

私自身、まだまだ序盤のあたりを拝読させて頂いております。
しかし、読み進めるごとに感想が湧き出てくるほど、とても密度の濃いエピソードが揃っており、先を読むのが楽しみで仕方がありません。
文章が読みやすいのも良い点ですね。

ぜひ皆様にも、この素晴らしい物語をご一緒に楽しんで頂きたく、早めのレビューをさせて頂きました。
私はどちらかというと、恋愛に限らず純粋なファンタジー作品として物語を楽しんでいるのですが、そうした皆様にもご満足頂ける作品であると感じております。

紛うことなき名作です。とてもオススメです。

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