日常パートなどは結構軽い感じの文体で、主人公であるカケルくんと、常に共にいてくれるヒロインのアイリスちゃんの掛け合いなど、笑える場面も多いです。
カケルくんの一人称視点で地の文が進行するため、彼のツッコミやボケなど現代の価値観で繰り出されるワードなどは、読んでいても楽しいモノでした。
ただし戦闘パートはしっかりシリアスに描かれており、状況的に優勢な事が多いものの、ちゃんと緊迫感もあって、メリハリもしっかりしております。
大人数戦などもあって、小規模パーティで描かれることも多いファンタジー作品の戦闘描写とはちょっと違った味が楽しめるかも。それこそスパイスのように。
個人的にとても良かったのは、異世界の中で描かれる現世界の事。
ネタバレになるので深くは書けませんが、カケルくんの郷愁を強く刺激する場面などは、私も少しウルっと来ました。頑張れ、カケルくん……!
タイトルからは『現世からスパイスを仕入れて、商業最強ルート!』みたいな印象を受けますが、読んでみればしっかり冒険ファンタジー。
二章完結時点でも面白いうえ、まだまだ底が見えない世界観に興味もガンガン惹かれます!