こっくりさん①
拙作『ぼくたちのちょっと怖い体験』の『五百円玉のこっくりさん』。
私が小・中学生の頃にはこっくりさんが大流行した。
ドラマや文庫本や心霊番組でもよく取りあげられていたけど。実際にこっくりさんをする同級生もいた。実は私もしたことがある。
みなさんは『こっくりさん中毒』を知っているだろうか。こっくりさんをすることでパニックを起こしたり、卒倒したり、気分が悪くなる人が続出することをいうらしい。
私が思う原因は集団心理。
一人がパニックになるともう一人もパニックになる。良くも悪くも影響を受けやすい人が集団の中には何人かいたりする。
こっくりさんを行うと具合が悪くなる人がたくさんいる。
そんな状態のことをいうらしい。
こっくりさん。漢字にすると狐(きつね)・狗(いぬ)・狸(たぬき)。要はどこにでもいる低級な動物霊を呼び寄せる降霊術の一つであるようだ。
当時は幼かったゆえに無知だった。
インターネットやパソコンも普及し始めたくらいの時代だというのも大きいだろう。
パソコンなんて各家庭に一台もない時代だ。
要は情報などテレビかラジオか新聞か口コミくらいしかないわけで。
情報弱者な私は、こっくりさんは『狐の神様』でも召喚する儀式かなんかだと思っていた。そう思っていたのは多分、私だけではなかったのだろう。
隣のクラスでは、毎日クラス全員で『こっくりさん』をする状態が続いていた。
時々、あがる歓声が私のいるクラスまで聞こえてくる。
私はそんな隣のクラスがうらやましかった。今思えば、それは『異常な状態』でしかないはずなのに。
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