こっくりさん②
連日、隣のクラスでは『こっくりさん』をしているようだった。
運動会や文化祭のような一体感を醸し出していた隣のクラス。その一体感を作り出していたのはまぎれもなく『こっくりさん』だった。
ある日、急に隣のクラスが『こっくりさん』をやらなくなった。
理由を隣のクラスの友人に訊いてみた。
「こっくりさんをやっていたらユリコちゃんが具合が悪くなって保健室に運ばれたから」
……なんだよ、その理由。
詳しく訊いてみると、どうやらこういう事情らしい。
『こっくりさん』中。複数人の指を乗せた硬貨が急に質問とは違う文字をなぞりはじめたらしい。
――北にいるやつ、呪う――。
その時、北方向にいたユリコちゃんが真っ青な顔をして倒れてしまった。騒然とするクラス。そして、ユリコちゃんは保健室に運ばれたようだ。
……貧血だったようだが。
それ以来、隣のクラスは『こっくりさん』を恐れて誰もやらなくなったようである。
もちろん、担任の先生からも禁止令みたいなものが出たようだ。
そんなエピソードを知っても、私の『こっくりさん』への興味は深まるのだった。
そして、私はある日、『こっくりさん』を実行してしまうのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます