ゴーストライダー
中学二年にはじめて金縛り体験してからというもの、その後も定期的に(?)金縛り体験をするようになってしまった私。
金縛りにはなるものの、私はその時はまだ幽霊といったものを見たことはなかった。
あれは二十歳になったくらいだろうか。
若かった私は友達と明け方まで遊んでいた。
そのまま友達とドライブに行った。
運転は私だった。
そのうちに友達は助手席で寝てしまった。
今でもハッキリと覚えている。
霧の深い朝だった。
霧の中、対向車線から一つのヘッドライトが見えた。
「あぁ、バイクが来たわ」
霧の中からバイクが見える。
私は自分の目を疑った。
「あれ? 人が乗ってない!」
対向車線。すれ違う前に一度、すれ違い様にもう一度。私はバイクを二度見した。
誰も乗っていないはずのバイクは華麗に一直線上を走るように去っていった。
「ねぇ! 今の、見た?」
私は助手席の友達を見る。
しかし、友達は熟睡していて起きなかった。
「もしかしたら、バイクから落ちた人がいるのかもしれない」
運転手がバイクから落ちてしまって惰性でバイクだけ走り去って行ったのではないか。
私は運転手を探しながら車を走らせた。勿論、誰もいなかった。
後日、いろいろな人にこの出来事を話してみた。自分としては笑い話のつもりだった。
しかし、話を聞いた人達からは口々にこう言われてしまった。
「あ~……。それは(幽霊)見ちゃったねぇ」
今でもあの道路にはゴーストライダーが出没しているのかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます