パンについて、よく調べておられるのだなと思った。真夜中に、何かを無性に食べたくなることはある。私の場合はラーメンなどが多い。実行はしないが。その点、主人公はパン作りを敢行する。これは尊敬に値する。尊敬に値する、愛すべき食いしん坊さんだ。吸血鬼との触れ合いも温かい。俄然、私も焼きたてのパンが食べたくなる。パン食べたい。これは、魅惑のパンが結んだ絆の物語である。
なかなか常識人な吸血鬼さんと、主人公のパンを囲ったお話です。夜中に突然目が覚めてパンを作り始めるというちょっぴり猪突猛進だったりする主人公が、吸血鬼さんとやりとりする姿がとってもキュートです。とても優しい気持ちにさせてくれる本作。皆さんもこの作品の優しさを味わい、たくさんの素敵なところを見つけてみませんか?
異種族でも平等に暮らせるような社会を目指している世界感が素敵です。吸血鬼がぶらりと散歩してパンの匂いに誘われる。コミカルな雰囲気の優しい気持ちになれるお話です。
世界って、どれこれも正しいわけじゃない。ちょっとしたゆがみや切なさや足りなさを抱えて、毎日進んでいく。だけど些細なことでかたっと正しい角度に戻ることがあるんです。焼き立てパンと吸血鬼。世界の角度を1度、直してくれる短編です。そして腹が減る(笑)
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