遺され消え果てかけようと

 どっしりした重みにあふれる、ファンタジーの中のファンタジー。主人公の厭世感が皮肉な形で実現するところから始まり、世界はもはや誰の想いも遺そうとはしない。

 そんな作中にあって、ささやかな希望が見つけられたのは心強い……あるいは新たな争乱の種なのか。

 必読本作。