KAC20233 僕と彼女と親友達。そして僕は……

久遠 れんり

僕と彼女と親友達。そして僕は…… 「ぐちゃぐちゃ」と言う文字は入っていません。行間で感じてください。

 卒業旅行と称して、出会いがなかったと嘆く友人たちを、僕と彼女で男女数を合わせて誘い、ちょっとした観光地が近くにある温泉地へやって来た。

 近くには、牧場と洞窟があり、結構楽しかったよ。


 だが見上げる空のように、一見晴れてはいるが、花粉と黄砂? 霞がかかった世界。

 空を見上げる僕も、2日目だと言うのに、涙が止まらない。

 眼下の川べりにある露天風呂で、抱き合っている彼女と知らない男。



「牧場良かったね。お肉もおいしかったよ」

 彼女は、そう言ってくれる。

「すまないな、春休みのリゾート関係が、あんなに予約が取れないとは思わなかったよ。高校は卒業したが、まだまだ未熟だな」

 そんな言葉を吐いてみる。


 彼女は付き合いだしてから分かったが、親しくなると意外とわがまま。

 まあ、かわいいんだけどね。

 付き合ってすぐ、夏休みのうちに体の関係になった。

 驚いたのは、彼女が初めてではなかったこと。

 まあでも、付き合いは続き、ここまで来た。


 春からの大学も同じだが、学部が違う。

 2年までは基礎教科は同じだが、そこからキャンパスが違うようだ。

 まあ大丈夫だろう。


 1日目の夜。

 風呂から上がってきたが、愛理はまだ帰って来ていない様だ。

 俺は肌寒い風の入るベランダで、月を眺めて座っている。

 ドアがノックされ、彼女の友人、葵ちゃんが入ってくる。

「あれ? 愛理はまだなの?」

「帰って来ていないよ」

「そうなんだ」

 そう言うと、彼女はそっと俺にキスをする。

「いつも隣に愛理がいたから。内緒ね」

 そう言い残し、出て行った。

 

 すぐに、愛理は帰ってきたが、昼にと言って、すぐに寝てしまった。


 ふと目が覚めると、彼女がいない。

 部屋から出ると、翔と大輝が女子部屋から出てくる。

 なんだ……。

 

 俺は川べりの露天風呂で、抱かれている愛理を見つける。

 俺はスマホを取り出し、写真を撮った後。


 卒業の日、好きだと言ってくれた咲希に電話をした。

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