ある日授かった謎の力。―― 俺はこの力で…… モテる男になる。
とまあ、先の読めそうな話。
夢の中で声がする。
元服の祝いだ。力を解放しよう。
それは一族に伝わる力。
何の変哲もない、中学三年、十五歳の誕生日。
両親は仕事だったし、冷蔵庫の中にいつもより少し豪勢なおかず。
そして、俺が好きなチョコのショートケーキ。
一人で、それを食べて拗ねたように眠る。
だが、日が変わり、ふと目覚めた。
時間は三時。
さっき夢を見た。
烏帽子をかぶった平安時代の人のようなだれか、その人が言ったのだ。
「子孫よ、お前には器がある。元服の祝いだ、力を解放しよう。励めよ」
確かにそう言った。
「つっ。体が」
体中を襲う激痛。そして、頭痛まで。
「ぐわっ」
その日俺は変わった。
この力で……
俺はモテる男になる。
気合いを入れた背後で、ご先祖様がむせび泣く……