それでも、アリスは行く　〜〜無秩序のハーモニー〜〜

　アリス・クロニスターは、オーテッドに所属している新人データ関門士である。ある日、オーテッドから緊急通知指令が届く。それは、『アオキ・ヒュウガという人物が心停止したため、デジタル変換してデータ生命体として生き直したい』というものである。

　アリスは指定された病院に向かい、アオキ・ヒュウガにデジタル変換処置をした。デジタル変換とは、身体の生体情報を読み取ってデータ化することであり、アオキ・ヒュウガもそのような処置を施し、全ての生体情報のデータ化を終えた。のだが、アオキ・ヒュウガの妻がいらないと言い出し、デジタル変換したばかりのデータを消してしまったのだ。そんな例は今までなく、異常と判断したオーテッドは、アリスにアオキ一家へ向かうように指令を出した。

　そして、指令通りにアオキ一家が経営して…続きを読む