正しくない、でも否定できない恋愛、激しく切ない、初めての感覚の作品です

 特異なヒロインを好きになってしまった主人公、彼の愛し方はとても一途です。でも、正常ではありません。

 番外編を挟んだ三章構成の作品です。

 第一章で主人公が学園で彼女と出会い、第二章で二人は逃げ出し、答えを出しました。

 愛情を理解できないヒロインに、主人公が自分を捧げます。彼女の境遇を知る主人公、彼女の家族から追い詰められ、行き場を失う二人。二章後半の田舎暮らしは、それまでのハードな展開とは印象の違う、とても切ないエピソードでした。

 番外編は、九人の人物が自分語りをするのですが、ヒロインの母と父のパートはとても印象深い内容でした。

 第三章は、主人公視点とヒロイン視点の両面から話が展開されますが、どちらの視点なのか、とても分かり易く工夫されていました。

 この三章で二人は再会し、愛を再生しますが、ここでも二人は大きな決断をします。その行く末を見届けてみませんか?

 きっと、今まで読んだことのない、激しく切ない恋愛小説だと思います。最後まで読み切って欲しい作品です。

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