潮騒とゆっくり溶け合え

全体的に大人な話。
ものすごくリアリティーを感じる。
どちらかというと、本作は進藤彩美の話といえる。

生々しい現実がつぎつぎと描かれているところが良い。
さらに方言がいい味を出している。

全体的に人物描写は少ない。
かわりに羅臼の描写、酒を飲む場面での描写、昆布漁の描写など、ここぞというところで描かれている。

登場人物の動作、表情の書き方が豊かなのが良い。
端的に状況が読み手に伝わる書き方をしている。
二人のやり取りが会話文で書かれていて、余計な説明をしない書き方をしている。
実に上手い。