そして、物語は「ギリシャ物語」へ……。壮大な本編へ繋がる華々しい序章。

壮大な物語、「ギリシャ物語」。その前日譚となるお話です。

美貌の青年ティリオン。

彼はアイドルのように皆の注目を集める人物ですが、実は幼少期に受けた虐待と事件による後遺症を抱えておりました、
しかし、彼には彼を深く愛する近臣たちがおりました。
ティリオンが犯罪団に狙われ、その近臣たちが彼を守り抜こうと奔走するのですが……。

とにかく、近臣たちが個性豊かな仲間達でとても楽しいです。堅苦しくなく読み進められます。

敵も非常に魅力的です。

時折突き抜けて笑えるようなギャグや、ギリシャならではのドキッとする展開も織り交ぜ、敵味方関係なく重苦しい過去が覗き、緩急が層のように折り重なった重厚ながら味わい深い物語となっております。

言うなればミルフィーユですかね。
サクッとした生地とこってりと濃厚なクリーム、それがいい塩梅なのです。

歴史物ですが、とてもとっつきやすいです。
名前も聞き慣れない名前が多いですが、人物紹介を適宜文末に入れていただいているので大変わかりやすいです。

おすすめの作品になります。

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