第七幕 ……エピローグなら。


 真っ白な空間というか……みつぐ、それに佳子よしこもいる。稀に見るツーショットが今、ここにある。見た目が既に対照的で、並ぶと更なる強烈な印象を与えていた。


 だからこそ余計に……


「どうしたんだ、お前ら?」

 と、声にせずにはいられなかった。颯爽たる反応で、


「それはこっちの台詞だ、この野郎」

 と、貢は言う。ここが病院だから、声のボリュームは抑えてくれているようだ。


仁平じんぺいに、お前のことをな『首根っこ掴んでも連れて帰る。今日限りで情報屋を辞めてもらう』って、思いっ切り上から目線で言っときながら、その本人が最後の最後でドジ踏んで、本当にざまあねえな」


「全くだ。本当に冴えないよな。……手術が施されて摘出されたのが、ピストルの弾が二発。なあ、本当に良かったのか? 彼女に会わなくて」


 その言葉のトーン。その端から貢が何を問いたかったのか、すぐにわかった。


「……いいさ」


「本当に、いいのか?」


 くどいと思ったが、


「俺には務まらないよ、彼女の騎士役は。お前の右に出る者がいないんでな……」


「……そうか」


 少し間を置いてから、貢は「でもな、彼女に頼まれたんだ。また一緒に遊ぼって、これからもお友達だからって。……その時はな、俺からまた声をかけるから」


 それは。貢が言ったことは、遠い約束を意味していた。

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さあ、今こそ跳ぶのだ! 必殺情報屋稼業。【カクヨムコン8短編改稿版】 大創 淳 @jun-0824

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