仕事と恋と、彼女の運命

2－44（レビュー時点最新話）まで読んだ時点でのレビューになります。

この世界、ファンタジー世界ではあっても意外と文明レベルは高いようです。
主人公のユエと聖女であるらしいヒナを異世界に召喚したのは魔法であり、召喚された地点は神殿、さらにはファンタジーな衣装に身を包んだ神官まで現れて、私も最初はこってこてのファンタジー世界なのかしら？　と思いましたが、案外とそうでもないようで。
鉄道が走っているのもそうですが、段ボールやガムテープなどが普通に存在している世界のようなので、現実世界と同等の文明なのかな、と思いました。
その辺が割と新鮮に思えて、ちょっと驚きました。

この作品の魅力はやっぱり、仕事と恋というテレビドラマを見るかのようなエンタメ要素です。
主人公のユエが最初、結構キツめの境遇に遭っているところから始まるのですが、途中から状況が好転し、最初に手を差し伸べてくれた人と良い感じになる……。
ド王道を行くオフィスラブみたいな展開に、心がワクワクしてしまいました。
ですが恋も一筋縄ではいかないようで、私が現時点で読んでいる展開が結構シビア……。
しかもそれが仕事や恋という意味のシビアではなく、ファンタジー世界という要素の容赦ない展開でした。
しっかりとここがファンタジー世界なのだぞ、と思い出させてくれる展開に『そーですよね！　でもね良いところだったんですよ！？』って気分でした。
緩急のつけ方がしっかりと異世界ファンタジーしていて、面白くもあり、口惜しくもありました……。
ユエちゃんに平和に生活してほしい……。

世界の謎も結構いっぱいあり、太陽神と月神との関係、そして月神とユエちゃんとの関係、ヒナちゃんの行方と運命……色々わからないことだらけですが、それが好奇心をくすぐってきます。
考えてみれば、ユエちゃんの名前も、なるほど関係をにおわせていたんだなぁ、と。
今後の展開も気になりすぎて目が離せません。