殺し屋の大ピンチ

えー。

ピンチです。(唐突)

ことの発端は三十分前…

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さーてと、次は…暗殺か。

こいつは起業家で、某SNSの「Switter」を買収して、「Y」に改名。ログインしないとどーたらこーたら、課金しないとどーたらこーたら…ブロックがどーたらこーたら…ってした後、アイコンの赤いコウモリを逃がした…と。なるほど、だから異様に依頼数が多かったんだ。Switter民からの依頼か。

昔、有名シューティングゲーのキャラクターのAAに合わせて「はよ帰れ」って投稿されたってのが元ネタになってる「はよ」ってキャラクターが商標登録されそうになったときも依頼がいっぱい来たんだよなぁ…ネット民、謎の連携。

さて、メーロンムスクさん、赤いコウモリの恨みは怖いよ〜



よっと、ここなら見下ろせるな…

藪だから、下手に動くと音がしちゃうから、なるべく動かないようにしないと。

風向き、湿度、風速、温度、距離などなど計算しまして…このあたりに頭があるとしたら、このあたりを狙えば、真ん中だな。

あ、来た。今日は国のお偉いさんと会談だったそうでして。

うわ、玄関ギリギリに車つけやがった。

扉を閉じる音に合わせて…

サイレンサーを付けた銃の引き金を引いた。

よし、見事にパンク。これじゃ出発できないね〜

さてと…運転手が降りたから、前からメロンの野郎のアホ面が…

静かに引き金を引いたと同時に、後頭部に硬いものがあたった。


フロントガラスの割れる音が響き渡り、使用人たちの悲鳴が聞こえる。とりあえず、任務完了。


《動くな。動いたら殺す。》ありゃりゃ。それ消防士の前で火着けるぞって脅すようなものですが。

まあいいや。こういうときは従順に動こう。今ではない。

《銃を置いて、立ち上がれ。》

銃を置くと、顔の横に両手を掲げ、立ち上がった。

そして、相手の意識がアタシの頭に向いているうちに、尻尾で銃を拾い、コートの中にしまう。

その瞬間、首元に衝撃が走り、アタシの意識は暗転した。


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んで、今は広めな部屋で椅子に縛り付けられてる。

目隠しされてるから、音でしか状況わかんないんだよなぁ…

喋れないし…ガムテかな?

まあ、アタシらを襲う奴らは一定数いるし、そいつらは大抵ギャングで、アタシらを洗脳して仲間にしようとしてるろくでなし共なので、襲っても大丈夫。多分。

だから、敵にすぐに応戦せず、相手のことがある程度わかってからじゃないと危険。

あ、誰か来た。

ガムテを乱雑に剥がされる。ちょっと、肌荒れちゃうんですけど。責任取ってもらっていいですかね。

《お前が殺し屋だな?》

「…」

《ほぉ?黙秘か。》スタンガンを取り出し、首に押し当ててくる。

《流石、普段からあんなことしてるだけあって少しは耐性があるようだな。》

「まぁな」

《さて、お前らのアジトの場所を吐いて貰おうか?》

「嫌だね。なんで部外者にわざわざ教えなきゃいけないんだよ。」

顔面に衝撃が走る。

次は鞭かよ…

《お前ら殺し屋は、うちのボスを殺したらしいな。》

「知らないね」

《ユウマ様が居なくなったことで、我らは冷静さを欠いている。怒らせないほうが良い。》

あれ。この前殺したやつやん。

「知るかよそんなこと。死んでも吐かねぇよ」

《死なせねぇよ。死ぬほどの痛みを永遠に味わわせてやるよ》


そいつは鞭を置き、ペンチに持ち替えると、アタシの右手を掴み、人差し指の爪をペンチで挟んだ。

《規模を教えろ》


少しの静寂が流れる。


その瞬間、アタシの人差し指の爪は、指から離れていた。

しかし、アタシも敵もキョトンとしている。

そりゃそうだ。

アタシは訓練して、痛覚を遮断する魔法を習得してるからな。


(爪ごときじゃ痛くも痒くもねぇよ!!)

「爪のお手入れ頑張ってたのに…」


《な…んだと…》

この程度で恐れ慄いてくれるとは。楽ちん楽ちん。

《いや…まだだ…》

《来い》


男がそう呼ぶと、扉の奥から胡散臭いおじさんが出てきた。

《こいつの思考を読め》

【任せな】

やばいやばいやばーーーい!!!!これはまずい!‼️‼️‼️‼️絶対に別のこと考えとこ

【無駄だぞ。記憶も覗けるからな。】

ア、オワタ

あーーーーーーー記憶がぁ…まああるんだけど…

どうしようかな…いや、今考えても相手に筒抜けだ。

【そうだ。無駄な抵抗はよせ。】

やばい、ほんとにどうしよ。

ずっと思考は見られてるだろうし…相手の魔力切れを待つか?

うん。魔力量多いから切れる前にこりゃアジト襲撃されるな。

きっとあの人数だとアジト潰されちゃうな…どしよ

うーん。諦めるか…?思考放棄して体力温存しといたほうが良いのか?

まあいいや、何したって今はどうしようもない。




敵の軍が出発するようだった。私も車に載せられ、一緒に連れて行かれる。


『指令!!!!!!!!あれは!?!?!』

《なんだ!?!?なにが…‼️‼️‼️‼️》そこまで言いかけた時、車が大きく揺れた。

「おわわわわわわあああ!!??」

横転する!?

そう思った瞬間、爆発音が響き渡った。

「?!」事故か!?地雷でも踏んだのか!?

車の窓ガラスが割れる音が響き渡る。

『ひっ!!!!どうか‼️‼️‼️命だけ…あああああああああ!!!!!!』

悲鳴が響き渡る。《くそっ…‼️‼️‼️扉が開かな…ああああああ!!!》

次々と悲鳴がなり、気配がなくなっていく。

車内が静まり返る。


「??」アタシだけ襲われなかった…??ということはまさか!?

『ク゛ル゛リ゛ン゛!!!』「アカリ!?!」『モウオヒルノジカンスギテルヨ!!』「ごめんごめん!」そういうと、アカリが爪でアタシの拘束を解いていく

「ありがとう!」怪物化したアカリの肩に乗って、アジトまで森の中を歩いていく。

『ギョウノオヒルナ゛ニ?』「うーん…パスタでもつくる?」

『イイネ゛‼️メン゛タイコガイイ!!』「良いね〜!」

殺し屋の大ピンチ、アカリの空腹のお陰でなんとかなりました!

これは特盛パスタ作らないとだな…

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殺し屋Everyday!―”思ってたんと違う!”でしょ?― あき @harukazu12

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