○なつかしきあの夏の少年の日、僕は君と二人、七不思議探検を始める

子供時代を日本で過ごした人ならきっとなつかしいあの景色。入道雲に蝉の声、雨の日だけ感じる小学校の廊下の匂い、放課後の教室で友達と過ごす時間――あざやかに記憶がよみがえる。

この空気感がまず魅力的だし、怪談にもよく似合う。

だがノスタルジックなだけの小学生時代が描かれるわけでは決してない。

主人公の小学四年生『ミコト』が受けるイジメは結構苛烈だし、悪い人じゃないけれど事なかれ主義の担任教諭もリアルだ。

孤独なミコトはある日の放課後、一人でこっくりさんに尋ねる。
「僕にもみんなみたいに友達はできますか」

すると翌日、現れた転入生。神社で神主を務めるおじのもとへ、東京からやって来たというのだが――

親切で屈託のない転入生とミコトはすぐに友達になる。
「きっと神様が僕たちを友達にしてくれたんだよ!」
まぶしい笑顔で彼はそう言ったけれど、本当にそんなことってある? 読者の心に一抹の不安を残しながら、二人の少年は学校で七不思議探しを始める。

このレビューを書いている12/22現在、最新話の13話まで読んだところですが、とりあえず怪異第一弾の花子さんがかわいかったです!
恐ろしい怪異が出てくるのかと思いきや、ヒロインもかくやと思わせる魅力的な小6女子が現れてびっくり。
もしや今後も怪異はみんな個性豊かなのか?

なつかしい夏の匂いと七不思議という怪談要素、そして個性豊かなキャラクターたち、何よりも一番謎の多い転入生『零』くん――全体的にすごく好きな雰囲気です!

(レビュータイトル先頭の○は、お気に入り作品付けている自分用メモです)

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