一生を愛するとは何かを問う作品です。五感の描写に特に優れております。

主人公、結奈は、東京へ出て、結婚と言う幸せを掴んだが、夫に災厄が訪れる。

傷心の結奈は小樽へ帰郷した。

だが、世話焼きな方もいて、面倒な目にも遭うことになる。

そして、意外な懐かしい方との再会を果たす。

幸せが急降下する展開に、幸せになれないものかと、お願いして拝読しておりました。

本作は、モノクロの文字を目にしているにも関わらず、美しい光景や色合いの変化に香やぬくもりなどの五感が散りばめられております。

色彩豊かな表現が好きなもので、そこにも感嘆しておりました。

そして、例えるなら花のあり方、そこも好きです。

文体がしっかりとしており、無駄がなく、それらと五感の鋭い描写とが絡み合って、とても美しい小説にもなっております。

ひとりの人の幸せは、中々望みにくいと思うのです。

私は、結婚して、新しい価値観と共に幸せになりました。

ありがたいと思うと同時に、お互いに与え合う関係でいたいと思っております。

是非、ご一読ください。

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