きんと冷え切った廊下のような

深夜にふと目が覚めて、スマートフォンを見てしまうあの明かりの中。この物語の舞台はとても狭い空間ですが、それが返って、身に染みる妙にリアルな寒さを表現しています。読んでいるだけで指先が凍えるような、瞼にスマートフォンの画面の灯りがこびりつくような。

それでいて、傷跡は治すものじゃなくて馴染ませるもの、という言葉がこの物語のすべてを物語っている、不思議なお話です。

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