銀河のはてで、報われぬ想いに色を与えて。優しく深い、音楽のものがたり。

 天才チェロリストとして各地をめぐり、若くして命を終えたソロは、不思議な楽団へ迎え入れられます。
 そこは死後の世界なのか、あるいは違う領域なのか――、銀河を渡り歩く『ニジヰロ楽団』の一員になり、やはり無心にチェロを弾き続けていたソロの前にある日、不穏な雰囲気を漂わせた初老の男が現れるのです。ここから、物語は大きく動いてゆくことに。

 何も望まず、何も与えられず、果ててゆく命はこの世界にどれほどあるのでしょう。
 ソロの演奏は、この物語は、ひたむきな願いや優しい想いがどんな形で伝播するかを感じさせてくれます。
 懐かしさを感じさせる語り口調の幻想的な物語、ぜひご一読ください。

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