関数には当てはまらない家族の数式

受験生が抱える心情と、彼を見守る家族の姿を描いた物語です。
さらりと読みやすい文章ながら、ものごとの真髄をつくようなフレーズがいくつも出てきて強く印象に残ります。
試験の問題と家族の関係を重ねつつ展開するところが面白いです。家族という、学校では決して教えてくれない関数。数式のようにはっきりと正解がないからこそ、自分なりに自分の心で答えを出そうとする一人の男の子の姿が浮かび上がってきます。
読後にあたたかい余韻の残る作品です。

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