第3話 小説のルビと表記の統一

 ルビなんて、必要ないんじゃないの?


 え、本当に? 必要ないの???


「私は東智です」


「私はあずまもとです」


 ルビがあれば『あずま』さんなのか『ひがし』さんなのか、迷う余地はありません。

『智』が『もと』さんなど、殆どの方には読めないでしょう。


 これが当て字や造語ともなれば、調べても正解が分かりません。


 それって、読者に親切でしょうか? 名前と当て字、造語には、簡単な字を当てていようとルビは必須だと思いませんか?


 正解が作者の頭の中にしかない言葉なんです。調べても、分かるはずもない言葉なのですから。


 名前も、世代によって読みが変わります。


 例えば『翔』。『かける』と読むのが多かった世代には、かけるくんと読むのが一般的。『しょう』と読むのが多かった世代には、しょうくんと読むのが一般的。

「私はしょうって読むから、しょうって読むのが当たり前」ではないんです。


 ルビがあれば、誰にとっても正しい読み方ですんなり読めますね。


 読者目線で考えるなら、ルビを振って悩ませないの選択の一択でしょう。


 次に、表記の統一ですね。


 1、サーベルタイガー

 2、サーベル・タイガー

 3、けん

 4、剣歯サーベルタイガー

 5、剣歯サーベル・タイガー

 6、サーベルタイガー剣歯虎

 7、サーベル・タイガー剣歯虎


 同じものが登場する度、上記のように違う表現って……どうですか? それが同じページの中で、登場する度に表記が違うとなると? 地味にストレスになりませんか?


 普段は1で固定されていて、強調したい時は4で固定。あるいは、5で固定されている。

 それくらいの統一性がある方が、すっきりしませんか?


 読者さんに、ストレスなく読んでもらおう。そう思うと、ストレスなく読んで頂く作者側で可能な努力は必要ですね。


 ―終―


 おまけで『中黒』と、『イコール』の使い方。


『・』:日本語で欧名などを表記する際、名詞と名詞の間などの区切りが分かりにくい場合等に使用。(スペースの代わり)


『=』:正しい記号『ダブルハイフン』が使える機種が少ない為、日本語表現での代用。元言語に『半角-』があった際の代わり。別々のものを繋ぐ時に使用。


 現在は全て『イコール』を使う方向へ移行中のようです。


 例

 Maria Antonia Josepha Johanna von Habsburg-Lothringen


 マリア・アントーニア・ジョゼファ・ジョアナ・フォン・ハプスブルグ=ロートリンゲン

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