歪みの旋律は美しくも温かい

ある双子の姉妹がおりました。二人はともにバイオリンを弾いている奏者でした。双子の姉にはピアノを演奏できる恋人がおりました。
しかし、双子の姉を失ったことにより全てが狂い始めます。
双子の妹である瀬良理乃はバイオリンを弾けなくなり、姉の恋人であった上江隆哉はピアノが弾けなくなり、関係が悪くなります。上江隆哉は彼女の姉を愛していた故に酒を飲んで現実逃避を繰り返していきます。理乃は優しさ故に隆哉を更生させることはできないかと、近くにある音楽教室を見つけました。
教室の講師は天才演奏家の宇甘貞樹という人物。
バイオリンを演奏できるようになるために、レッスンを申し込んだところ。レッスンを引き上げる代わりに、恋人のふりをしてほしいと頼まれたのです。

クラッシク音楽を知っていても知らなくても楽しめますが、クラッシク音楽を聞きながら読むともっと楽しくなるかもしれません。特に『クロイツェル』の曲の完成していく模様は、理乃と貞樹の関係性や理乃が成長していく様を表していると私は見てしまいます。

恋愛と音楽が好きな人にはたまらない作品。一読してみてはいかがでしょうか?

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