音楽好きなあなたに贈る愛の歌

……などと陳腐なタイトルになってしまったけれども、それは私の舌足らずが原因で、この素晴らしい作品に傷をつけてしまったらどうしようと怯えている。
まず、落ち着いた語り口がしっとりと読者を離さない。
過去のトラウマとそれにまつわる体験に縛られた主人公が、再び楽器を手にしようとする……なんと清々しい挑戦であることか。
物語はまだ冒頭、この後幾多の波乱を予感させながら進んでいく。
あなたも主人公とともに、豊穣な音楽に彩られた大人の愛の物語に浸り尽くしてみたいと思うはずだ。

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