夫婦よりも濃く恋人よりも熱い関係

語り手、矢吹の独白から始まる物語。

初めから結末は見えていた。

しかし、最後までスクロールする手を止めることが出来ませんでした。走馬灯のように駆け抜けてゆく二人の出会いと別れ。そのスピード感にほとばしる青春の味が随所から染み出てくるのです。

軽快な語り口調とは裏腹に、残酷な現実を生きる二人。

しかし、それが良いのです。

なんやろうなあ、線香花火を見つめているような気持ちになりました。

確かにそこに愛はあった。
そして、七緒は最後までミステリアスで良い意味でずるい男だった。

惚れた腫れた
切った張った

任侠の世界も漫才の世界も、そして二人の世界も。世間から見れば、全てがパルプフィクション。モザイク模様の紙吹雪。

二人は、お金よりも名誉よりも大切な物を共有出来たんじゃいかなと思いました。

最高です。



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