現代には科学や理屈では説明できない事象が溢れている。
どこにでもあるような町の、どこにでもあるようなビルに居を構える「八咫超常現象研究所」はそんなオカルト事件を解決してくれる言わば「なんでも屋」。
所属メンバーはたった3人
・景虎 … ボクシングをかじった喧嘩つよつよな元不良。主に荒事担当でいつも事件の中心にいるような…
・紫苑…事務所の華、ヒロイン担当(?)事務能力に長けているが実は魔女の末裔で本物の魔法使い。アルビノという属性増し増しっ子。
・咲耶…父親から研究所を継いだばかりの新米所長。普段はちょっと頼りないところもあるがこの女、腹を括ってからが本番。なかなかの男前気質で所員を引っ張っていく。
そんな面子が織り成す物語は時に人情溢れ、時にコメディたっぷり、熱い展開もあればホロリとするハートフルも、たまに神様が気楽に登場しちゃったりもします。
私個人としては所々で顔を見せるパロディがツボを突いていて大好き。
気になる方は是非【八咫超常現象研究所】へご連絡を!
『八咫超常現象研究所』その名の通りこちらは超常現象、いわゆる「オカルト」を専門とする便利屋です。
一体どこで相談したらいいのやら、頭を悩ませた依頼人が訪れる最後の砦。扱われる事件簿は幽霊に化け狸に……「超常」達、それは解決される対象というより依頼人の側で、オカルトというよりさながら「ヒューマン」ドラマ。
寂れた公園で煙草を吸いながら「仕事が嫌になった」と哀愁漂わせるご老人は、サンタクロースで……!?
どこか懐かしい、馴染みあるオカルト達。
ドラマチックな人情あり、アニメチックなコメディありの八咫超常現象研究所は今日も忙しい。(但し採算は取れていない模様)
関係性や人物が深まりながらも章ごとにテーマが完結していく、明瞭で読みやすい構成です。
クリスマスやお正月など季節柄もリンクしているので「今」読みたい読書におすすめです!
舞台は八咫超常現象研究所、伝承、呪い、魔法といったオカルト専門の便利屋です。所長の八咫咲耶、事務員の紫苑しおん、調査員の湊景虎、この3人を中心に物語が進みます。
オカルトと一言で言っても、上述のとおり様々な要素があります。現時点で3つのテーマで事件が描かれています(2つは完結、1つは継続)。
かなり趣向を凝らしていて、各テーマによって色があるというか、雰囲気が変わってきます。その辺も含めて、かなり面白く、秀逸な作品です。
笑ったり、泣いたり、怒ったり、研究所メンバーの喜怒哀楽がうまく使い分けられていて、バトルシーン等もあったりと、サービス精神にあふれた作品に仕上がっています。過去編以降の展開は、ちょっと驚くかもしれません。
文章は硬質でかっちりしているため、読み手を選ぶかもしれませんが、カクヨムでは珍しい内容だと思います。読んで損のない作品です。
まずは第1話「バースデー・カクレンボ」全6話を読んでみてください。お薦めします。