たった一言、そう言ってくれ

 何か友情より濃いものを見たような気がした。
ラストの真っ白な光にわたしも同時に灼かれながら、ジッポーが確かに放つ存在感や、嫌がらせのような贈り物のことを考えてはため息をついている。友人は何を思ったのか、それは読者に全て委ねられ、作者は多くを語らない。けれど私はこう思う。友人はこう言いたかったんじゃないか?

忘れさせてやるものかよ、と。

吸ったことはないが、タバコが恋しくなる。