第9話

 ヴェネツィアは、イタリア共和国北東部に位置する都市で、その周辺地域を含む人口約26万人の基礎自治体。ヴェネト州の州都、ヴェネツィア県の県都である。

 中世にはヴェネツィア共和国の首都として栄えた都市で、「アドリア海の女王」「水の都」などの別名を持つ。英語では「Venice」と呼ばれ、これに由来して日本語でもヴェニス、ベニスと呼ばれることもある。漢字表記は勿搦癸亜, 勿搦祭亜, 勿耨茶。

 

 都市としてのヴェネツィアは、アドリア海の最深部、ヴェネツィア湾にできた潟の上に築かれた、運河が縦横に走る水の都である。


 ヴェネツィア本島は大きな魚のような形をしており、本島全体が小さな島々からできている。その真ん中を全長約3キロにおよぶ逆S字形の「カナル・グランデ(Canal Grande、大運河)」がヴェネツィアの北西から南東へ、市街を2つに分けながら湾曲して流れる。鉄道路線と土手を走る車道が島々と本土を結び、ラグーナの外側の長い砂州や海岸の防波堤がこの町を海から守っている。150を超える運河が177の島々を分け、運河には400におよぶ橋がかかる。また市街地と南端のジュデッカ島の間には幅約400メートルのジュデッカ運河がある。


 地上では、迷路のように狭くて曲がりくねった路地や通りに自動車は入れず、橋も歩行者専用である。何世紀もの間市内の輸送を担ったは、ゴンドラと呼ばれる手漕ぎボートであった。今は水上バスやフェリーが市民や貨物を運んでいるが、ゴンドラも観光に利用されている。


 カナル・グランデには4つの橋がかかっている。その中でも最も古いのが16世紀半ばに建設されたリアルト橋である。鉄道駅の近くのスカルツィ橋とアッカデーミア橋の2つは1930年代に相次いで建設された。そして駅前広場とローマ広場を結ぶ4つ目の橋、コスティトゥツィオーネ橋(ローマ広場歩道橋)が建築家サンティアゴ・カラトラバの設計により2008年に建設された。


 時計塔の前に2人はやって来た。

 刀を構えた日本人がそこにはいた。

「あんた、何者だ?」と、瑠璃川。

「俺の名前は浅井蛍」

 蛍は戦国時代に織田信長に滅ぼされた浅井長政の末裔らしい。まだ、17歳だという。

「あの生存者が言っていた怪物か? 俺はてっきりドラゴンみたいな怪物かと思ってた。人間だったとはな?」

 2人は自己紹介をした。

「上杉のアジトがこの近くにある」と、蛍。

 アジトは洞窟の中にあった。

 上杉は『ブラインド』を使うので蛍、瑠璃川、睦月の3人はサングラスをしていた。

 上杉は最近、坂道でオートバイを盗んだ。そのときに狼男を召喚させた。

 洞窟の前で狼男に襲われたが、瑠璃川が爆破して倒した。

 洞窟の奥に上杉はいた。上杉は『ブラインド』を使ったが蛍たちに効果はなかった。

 上杉はワルサーP38をホルスターから抜いた。

「女、まずはおまえからだ!」

 睦月は胸の辺りを撃たれたが、あくびをしていた。

「眠いな〜」

「ばっ、化け物!」

「おまえが言うなよ!」

 蛍は刀で上杉の首を跳ねた。

 上杉が盗んだのはオートバイだけでなく、ワルサーP38もだった。

 洞窟を出ると巨大な龍が暗雲から現れた。

 オートバイに跨り、瑠璃川と睦月は逃げようとした。瑠璃川は思わずバイクを停めた。

 蛍が龍に向かってジャンプしたのだ。

 瑠璃川は唖然呆然としていた。

 蛍は刀で龍の腹を突き刺した。

 龍はギャアギャア叫びながら落下し、岩に串刺しになって死んだ。

 蛍たちはこの時代の首相、長野昌幸の元を訪れた。首相官邸は東京ではなく京都にあった。

「よくやってくれた。桃太郎!」

 長野が声を張り上げた。奥の間に控えていた桃太郎が姿を現した。

 2年前に起きたロシアとの戦争で桃太郎は両親を亡くし、長野の養子となっていた。

「何でしょうか?」

「おまえもひきこもってないで、旅に出なさい」

「俺たちがエスコートする。人生、嫌なこともあるが、いいことだってたくさんある」

 瑠璃川が桃太郎の目を見据えた。

「僕に出来るかな?」 

「あんた男の子でしょう? そんなんでどーすんの!」

 睦月が桃太郎の尻をバシッと叩いた。

「何か、やる気が湧いてきた」

 長野は蛍たちにきびだんごを授けた。

 4人は新たな冒険に出たのであった。


 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

反逆Quest  鷹山トシキ @1982

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ