【かぐや姫】の場合

 むかしむかし、ある所に、竹取のお爺さんとお婆さんがいました。


「おや、ピカピカに光っている竹があるぞ」


 お爺さんは竹を切らずにスマホを構えます。


 パシャパシャ、パシャシャシャ


 十分に写真を撮った後は動画にします。そして、


パン!


 すると、中には小さな女の子が座っていたのです。


「なんて可愛い子でしょう」


 お婆さんがカメラを構えながらさけびます。

「この子をつれてかえりましょう」


 女の子は、かぐや姫と名付けられ、動画サイトなどで爆発的人気をはくしました。


 その間も、かぐや姫はすくすく成長し、輝くほど美しい娘になりました。


 かぐや姫をスカウトしようと、たくさんの人達がやってきました。


「是非、私の事務所に!」

「いやいや、是非、こちらの会社に」


 しかし、どの会社にも、かぐや姫は見向きもしませんでした。


 それから、3年が たちました。

 ぼんやりとした、黄色の三日月の夜、

かぐや姫が、月を見て泣いていました。


 お爺さんは、訳を尋ねました。

「じつは、竹の中の感覚が忘れられないのです。だから、竹藪に竹ホームを作り一人暮らししたいのです」


 かぐや姫は途中から家の中に置いてあった竹を恋しそうに見つめています。


「でも、お別れするのがとても悲しくて、」


 お婆さんは、かぐや姫をギュッと抱きしめました。


「いつでも帰って来ればいいよ」

「村のみんなに頼んで、家の裏に竹ホームを建ててもらうか」


 満月の夜、

 かぐや姫はニコニコ笑顔で村の人たちにお礼を言っていました。


「ありがとうございます」


 そのときです。

 かぐや姫のNEW竹ホームが光りました、

 優しい光で、だれもが目を奪われました。


 光の中には玄関があります。

「かぐや姫様を確認しました。玄関を開けます。さぁ、お入りください」


 なんて、聞き取りやすい、機会音声でしょう。この家は、すばらしい。


 お爺さんとお婆さんは、少しの距離でも悲しくて仕方ありませんでしたが、かぐや姫の一人暮らしを許す事にしました。


「お爺さん、お婆さん、そして村のみんな。ありがとう。御恩は決して忘れません」


 その後、かぐや姫の竹ホームは、バズりに、バズったが頑丈なセキュリティーにより快適な生活を送りましたとさ。

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