【ごんぎつね】の場合
むかしむかし、ある所に、一人ぼっちの 小狐がいました。
名前を、ごんと言いました。
ある日のこと、ひょうじゅうという若者が、川に網を仕掛けているのを見つけました。
川の中にキラリと光る物があります。
「鰻がかかっている!」
ごんはいたずらしたくてうずうずしました。
ひょうじゅうが後ろを向いたすきに、えいやっ、と、鰻を全部逃そうとしたところで、賢いごんは気付きました。
スマホで一部始終撮影されている事に。
ごんは逃げました。
ひょうじゅうは、後でスマホの映像を見ながら安堵しました。逃がされなくて、よかったと。
あの時の鰻を逃がされていたら今のお母さんの状態はないでしょう。
病気のおっかさんは、すっかり元気になり、今では、一緒に釣りが出来るぐらいに回復しました。
その頃、ごんは困っていました。あれからスマホを使っている人が増え、食べ物が取れなくなってしまったのです。
お腹ペコペコで川沿いを歩いていると、ひょうじゅうたちに出会いました。
すると、ひょうじゅうのお母さんが釣った魚を分けてくれました。ごんは、心から思いました。あの時のヤケクソで、鰻を逃さなくてよかったと。
その後、ごんは、ひょうじゅうと家族として仲良く暮らしました。
今でも、ひょうじゅうのスマホには鰻を逃がそうとしているごんと、家族みんなでとった家族写真が残っています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます