【わらしべ長者】の場合


 むかしむかしのお話です。


 貧乏な男がいました。その男は、Biriに言いました。


「お金持ちにしてください」


 すると、スマホから機械的な声が聞こえました。


「すみません、よくわかりません」


 男はBiriに聞いた事を後悔しながら道を歩いていました。


 すると、目の前にスピーカーが落ちています。


「ありがたや」


 男は、爆音で音楽をながらながらあてもなく歩きます。


 じゃり、じゃり。

 すると、道にしゃがみ込んで何かをしている人を見つけました。


「どうしたのだ?」


「詩を考えているのだが、いいのが思い浮かばなくてな。おっ、いいのもを持っているじゃないか。それをわしにもらえんか?」


 そう言ってお爺さんはスピーカー&スマホを指差した。


「いいですよ」


 男は、これからのことを諦めていたためすんなり差し出す。すると、お爺さんは流れていた音楽をため、新しいものを流し始めた途端にスマホに何かを打ち込み始めた。


「よし、できたぞ。スピーカー&スマホを貸してくれたお礼にわしが作った音楽をやらう」


 そう言って、お爺さんは詩を作っていたはずなのに何故か音楽の音源をくれた。


 男はその音源を流しながら歩いていると、今度はキーボードを持った女の人と出会った。そして、その音源を聴いた女の人はこう言ってきた。


「その音源ちょうだい。このキーボードあげるから」


 そう言われて男は持っていた音源を女の人に転送してあげた。そして、男の手にはキーボードが残った。


 男は初めてキーボードを触ったのだが、なぜか手に馴染むのを感じて、最初に聞いていた曲を弾いてみた。


 その後、その男は、世界的人気ピアニスト配信者として名を上げお金持ちになるのだが、それはまだ、誰も知らない。

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