【一休さん】の場合
むかし、むかしの一休さんのお話です。
一休さんは、お寺で修行中の小僧さん。
スマホの扱いに長けていました。
「どれ、試してやろう」
近所のおじいさんが、一休さんにメールを送りました。
「おいしいご馳走様があります。是非、遊びに来てください」
一休さんは、おじいさんの屋敷へやってきました。
屋敷の前には橋が架かり、立て札が立っています。
「ん、QRコード?」
立て札にはQRコードが書いてあり、読み取ると、この橋渡るべからず。と、書いてありました。
しかし、橋を渡らないと屋敷へ行かれません。
さあ、困りました。
しかし、一休さんは、にっこり。
どこかに電話をかけたと思ったら、橋の隣に新たな橋を作り始めたではありませんか。
「この橋を通らなければいいんだね」
と、元ある橋を指差しながら言う一休さん
「うぬぬ、人脈を侮ったわい」
どうやら、おじいさんの負けのようです。
一休さんの評判は、お城のお殿様にも届きました。
「一休をつれてまいれ」
お殿様は一休さんにメールを出しました。
一休さんがお城へ行くと、金ピカの部屋に案内されました。
目の前には大きなスクリーンがあります。
真っ白で大きな作り立ての新品のようです。
お殿様が言いました。
「よくきたな。さっそくじゃが頼みを聞いてから」
「はい。なんでしょうか」
「このスクリーンは、夜になるとビカビカ光って寝れんのじゃどうにかくれぬか」
お殿様は眠そうな目を擦りました。
もちろんこれは事実です。
「おまかせください」
一休さんは立ち上がり、腕まくりをしました。
スマホに手をかまえて凄い勢いで何かをし始めました。
「それではスクリーンをご覧ください」
お殿様は、ぽかんと口を開けました。
そして、大きな声を出しました。
「これは凄い!」
一休さんは頷きました。
「昼は、城の外の様子を、夜は快眠へ誘う音楽を」
「なるほど。素晴らしい、仕事じゃ」
お殿様は次の日から、快眠できるようになりました。さらに城の守りも固まりました。
一休さんはたっぷりと新品のスマホをもらって帰りました。
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