逃避行

重い話です。そして主人公やその家族の未来も、決してまばゆいラストが待ち受けている訳でもありません。

それでも、それでもです。このお話は、決して忘れてはいけない、そんな出来事ばかりが詰まっています。

私の祖母が満州から引き揚げしたので、他人事じゃない迫る重みがありました。
2歳の祖母がもし、はぐれていたら、もし、祖母が逃避行の途中で亡くなっていたら、と重ねてはいられなかった。
同じように地獄を見た方がたくさんいたのだ……。
かつて、日本でも多くの方が戦争で人生を巻き込まれ、今ある日常も当たり前ではない、とウクライナ情勢を見ながら噛みしめています。
多くの方に読んで欲しい作品です。