どこか懐かしい痛みと声にならない「自分の言葉」

声優業を器用にこなしながらも、どこか空虚な気持ちを抱える主人公の各務。
同じ劇団に所属している恋人とも、好きになりきれない、熱を傾けきれない付き合いが続いていく。
そんな彼が出会った夏芽は、自分とは違って好きなものにまっすぐな女性。
その出会いによってどこか冷めたまま過ごしていた日々が微妙に変わっていき……

自分の言葉を見つけられない各務、陶芸に情熱を燃やす夏芽、不器用だからこそ一つの道をまっすぐ進む先輩、それぞれの「芸」「表現」への気持ちが交差し、切なくもどかしい物語が描かれています。

自分も以前感じていたような、どこか懐かしい痛みが胸に刺さる作品でした。

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