短冊に愛を記すことも許されぬ

七夕に関係する名作です。
離婚によって、会う日を月2回に限定されてしまった父娘。
幼い娘は黒画用紙を宇宙に見立て、自分たちを引き裂かれた織姫と彦星に例えます。
そして自らたちに許された接点「火曜日」こそ天の川銀河であると。

その時、孤独に暮らす父の脳裏に「とある思い」が浮かんでしまいます。

父は黒い短冊に何を願うのでしょう……?
これ以上は読んでからのお楽しみ。
張り詰めていて、それでいて繊細なタッチで描かれた悲哀と懺悔の物語。

そういえば、なんと今日は偶然にも「七夕」ですよ?
では二人の代わりに、私が短冊に願いを書いておきましょう。

二人がいつか幸せになりますように。

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