大人の思惑を超える、圧倒的な純粋さ


うだつが上がらないどん底大学助教員が、百年に一度の天才少女と出会う……

これだけ聞くとありがちなストーリーであるが、あっさりと読めるサイズの文量の中に、
現状、問題、人物造形、転機、解決、葛藤、爽快な結末といった物語の要素が駆けてゆくのが印象的。
読んでいて中弛みを感じることは一切なかった。

何よりも(主人公をも含めた)大人の思惑なんざすべて吹き飛ばして輝く、天才少女のド直球な純粋さ。
こう、なんか……いいよね。