第3話 結婚への、このちょっとした質問が、意外な展開になる!→「先生?婚姻届の名前欄に、字を収めきれない!と、思いませんか?」

 ハイスペックTikTok部は、できるのか?

 「先生?高校生に、自分自身の将来を考えさせるきっかけにも、なるはずです!」

 「そうねえ。同好会からなら、はじめられるかもしれないわねえ。私が、明日の職員会議で、提案してみましょう」

 ありがたや。

 けど…?

 翌日になっても、その翌日になっても、先生からは、何も言われなかった。

 「待っていちゃあ、ダメなのかな?」

 「タマラ、動こうよ」

 「あの話は、どうなっちゃったんですかって、先生に聞くの?」

 「私たち皆で、集団で聞きにいったら、まずいかな?」

「お。ユズハ」

 「JK集団が、学校の先生をおどしていますって、新聞とかに、載っちゃうかな?」

 「いや、おどさないし」

 「じゃあ、私が、代表でいく」

 ハヤナが、立ち上がった。

 「サトウキビ先生?」

 「何ですか、ハヤナさん?」

 「…長い名字で、大変じゃないですか?」

 「サトウキビっていうの、下の名前なんですよ」

 「…え、え?サトウキビって、名字じゃないんですか?」

 何、この会話。

 「長い名前とかって、書くの、疲れちゃいませんか?」

 「え…」

 「婚姻届とかの名前欄に、なかなか、字を収められません!みたいな…」

 しかし…。

 この、結婚の質問が、意外な展開に!

 その後も、謎のつぶやきが送られてきた。

 が…?

 「え?うちの部は、そういうの、送っていないけれど?」

 ツイッター部からじゃ、ない?

 今度は、進路指導室にナナを送ってみた。

 「サトウキビ先生?私も、名前には、苦労させられたんですよ?」

 「そうなの、ナナさん?」

 「実はですね、先生?」

 「はい、はい」

 「私…、男子に、名前で、からかわれちゃっていたんです」

 「そうなの?」

 「ナナが死んだら、次は、ハチだな。その次は、キュウだな。って、ちょっと、ひどくないですか?」

 「そうね。ひどいわね」

 「サトウキビ先生?」

 「はい」

 「実は…」

 ナナは、瞳をうるわせた。

 「ナ、ナナさん?」

 「先生?私…、名前で悲しい思いをしている人たちに、何かしてあげられないかと、思っていたところなんです」

 「…そうでしたか」

 「先生?」

 「はい」

 「悲しんでいる子たちを、少しでも、救ってあげたいんです」

 「…」

 「TikTok部が、必要なんです!」

 「そうね!必ず、職員会議で、他の先生たちに言いますから!」

 「はい、論破!」

 悪女。






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