第4話 将来、旦那を、上手くコントロールするタイプのJKってどんな感じ?そして、ミカンの世界に、正解はないということがわかってきました。

 「…論破?」

 「先生?何でも、ありません」

 「そう」

 「で、人助けに役に立つのが、TikTokなんです」

 「そうなの?」

 「私たち生徒は、悲しんでいる子たちを、救いたいんです!」

 「わ、わかりました」

 「ですから、ハイスペックTikTok部を、立ち上げるべきなんです!」

 「??」

 「先生!」

 「わ、わかった。ちゃんと、職員会議で、言うから」

 「先生?」

 「はい」

 「今度の職員会議は、いつ開かれるんですか?」

 「週明けの月曜日に、開かれます」

 「月曜日!わかりました!」

 ナナは、すぐに、皆に知らせてくれた。

 「…ちっす!あたし、論破してきたよ?月曜日という情報を、ゲット」

 「ナナは、将来が、怖いな」

 「将来、旦那を、上手くコントロールするタイプだな」

 「それでさ」

 「うん」

 「この前、あいつがさ」

 「あいつ?」

 「ほら。クラス担任の、ホタルイカ」

 「ああ」

 「あいつが、進路指導室にいって、さ」

 「うん」

 「顔を赤くして、教室に戻ってきたことがあったんだよね?」

 「サトウキビ先生に、何か、言われたのかな?」

 「これ、どう?」

 チカが、半径 3メートル以内に固まっていた友達皆に、ミカンを、配りだした。チカの親戚が、たくさん送ってくれたという。

 「うちのおじいちゃん、和歌山なんだ」

 「え?人間じゃないの?和歌山なの?」 

 「やめな」

 「おお、和歌山のミカン!」

 「和歌山のミカンって、美味しいよねえ」

 「そうだ」

 「何?」

 「ミカンの皮の正しいむき方って、うちら東京と和歌山で違うって、知ってた?」

 「そなの?」

 「っていうか、ミカンの皮むきに、正解があったんだ」

 「…うん。正解っていうより、オススメのむき方っていったほうが、良いかな?」

 「ふうん」

 「こうやって、むくんだよ」

 「おお!」

 「やるな!」

 「…まったり気分で、ミカンを食べる、女子高生」

 「インスタ映え、するかな?」

 「どうかな?」

 「これ、アリタミカンかな?」

 「残念でした」

 「え、何?」

 「どした、チカ?」

 「どした?」

 「アリタじゃなくって、アリダです」

 「…そなの?」

 「うん」

 「ギャッ」

 「私、やられたか」

 「瞬殺」

 「ミカンの世界に、正解は、ありません」

 「私、お嫁にいけない」

 「そういう言い方、今の時代に、合っていないよ?」

 「あら、いやだ」

 「もっと、ミカンを食べましょう」





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