第7話  妊娠中のダイエットには、リスクがある。…って知らない女性も、増えたんだな。時代は、変わる…?チカの旅は、いつまで、続くんだろう?

 病室には、産まれてきた赤ちゃんを横に、サトウキビ先生が寝ていた。

 「先生?ダイエットは、していませんでしたよね?」

 「ええ…」

 「合格!」

 「って、どゆこと?チカ?」

 時代の意識も、変わったのか?

 「私、赤ちゃんがほしいんです!」

 そういう母親の中には、ダイエットにはげむ人もいたそうな。これが、チカには、納得いかなかったらしい。医学的にいっても、ちょっと、問題かもよ?

 こんな女性が、います。

 「私…。婚活中です!赤ちゃんが、ほしいんです!努力をして、女をみがいているんです。ダイエットもして、努力をしているんです!」

 それ、努力っていうのかな?

 妊娠中のダイエットには、リスクがある。…って知らない女性も、増えたんだな。

 時代は、変わる…?

翌日も、学校の放課後に、病院にいってみた。JK集団の、団結だ。

 「先生、います?」

 「います?」

 「あ、いた」

 「あら、皆?今日も、見舞いにきてくれたの?」

 サトウキビ先生の赤ちゃん動画を、撮影。

 TikTokのその動画は、JK集団の中だけで、回し合った。

 「先生?」

 「何かな、チカさん?」

 「ミカン、食べます?」

 産後、食欲のでなかった先生は、本当に美味しそうに、ミカンを食べた。チカは、うれしくて、泣いた。

 いや、泣くなよ。

 「同窓会を、やろう」

 「まだ、高校2年なのに?」

 「卒業、していないのに?」

 また、いつものJK集団が、集まった。

 「そうせんきょ!そうせんきょ!ぼくを、たすけてください。はやく、そとに、でたいんですっていう、つぶやきがあったよね?あれって、結局、誰からのつぶやきだったんだろう?」

 皆が、ちょっと、静かになって。

 「あのさ」

 「何?」

 「どした、チカ?」

 「あれを、つぶやいていたのはさ…」

 チカが、サトウキビ先生の家にいきたいと言いだした。いくと、ベッドには、赤ちゃんが、すやすや寝ていて…。

 その子と目が合った瞬間、心に、メロディな言葉が届いた気がした。

 「…よかった。あのつぶやきは、とどいたんだね?ぼくをさがしにきてくれて、ありがとう」

 テレパシー?

 「あれ?」

 「今度は、何?チカ?」

 「何でも、ない」

 チカには、不思議だった。

 「あれ?そういえば、あのつぶやきって、サトウキビ先生の妊娠がわかったときより、ずっと前から、きていたけど…?」





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る