かくして彼女の青春が歩き出す
- ★★★ Excellent!!!
自分がいかに恵まれた時代にいたのか。
某感染症はこうも十代の輝かしい日々をいとも簡単に奪ったのか。
誰が悪いでもない、それでも誰かの所為にしなければ辛い、そんな世の中で。
【蝉】は、主人公を一歩踏み出させるための、象徴だったのではないかと思います。
停滞するうだる夏の暑さが見せた【一匹の蝉】。
その蝉との邂逅はきっと、主人公に伝えたかったのではないだろうか。
「たとえ今が辛い時でも、自分のように、今を後悔のないように生きようよ」と。
他の誰にもできないことを成し遂げた【一匹の蝉】に、その心意気に、感動しました。
前を向きたい方、必見の作品です。
ぜひお手に取って読んでみてください。