一度でいいから云われたい言葉……

 わたし自身、誰かに云われてみたかった言葉ではあります。が。このエッセイを読んでいると「作家」をはじめとする「書きしるし発表すること」の業の深さを、いまいちど思い知らされます。
 
 ひとを傷つける覚悟と、ひとに傷つけられる覚悟がないと作家はやれない、というのがわたし個人の信条です。
 書き記す行為そのものがちいさな暴力性を秘めていることを、書き手は忘れがちです。それを思い出させてくれるエッセイでした。

 でも。一度でいいから云われてみたかったなぁ……