不器用に触れ合う心が、やがて友情と名付けられるまで

※11月3日投稿時点までのレビューです。


孤高の美人転校生『早坂ソフィア』――

イギリス人の血を引く金髪の美少女の登場に、迎えるクラスの空気は転校初日から一気に沸き立ちます。

そんなソフィアとは対照的に、クラスの一員である『水瀬いの』は、読書が好きな自称「ぼっち」の地味な女の子。

一見すると、スクールカーストの上位に位置するソフィアは彼女にとって別世界に生きる人間であり、本来ならば決して触れ合うことのない存在のはずでした。

しかし――この二人の少女には、ある共通した「悩み」があったのです。

実は彼女たちは、それぞれが異なるスタンスで「人付き合い」というものに苦手意識を抱えており、衆目を集めるほどの美貌の持ち主であるソフィアですらも、その棘のある性格からか、級友とはなかなか良好な関係を結べずにいました。

そしてある日、そんな彼女たちの「孤独」が思いもよらぬ形で重なり合って、出会うはずのない二人を引き合わせる接点となります。

この作品は、二人の少女が小さな衝突とすれ違いを繰り返しながら「友達」と呼べる関係に至るまでを描いた物語。

その不器用な触れ合いは、時に焦れったくてもどかしく、しかし時に勇気を持って一歩踏み込む大胆さもあり、ゆっくりではありますが、着実に友情が育まれる過程がとても丁寧に描かれています。

昔、とあるミュージシャンが雑誌の連載でこのように語っていました。

「相互理解の入口に立ったときに感じる『ひょっとしたらこの人とは解り合うことが出来るかも?』というワクワク感を、人は『ときめき』と呼ぶのではないか」と。

その輝くような『ときめき』に彩られた二人の世界に、私は胸を躍らせながらページを捲りつづけました。

自信を持っておすすめできる良質な青春ドラマです。是非、ご一読ください。

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