振りかかる火の粉を、推理で払え

「ムジツさん」こと、牟児津真白には類まれなる才能が二つある。

するどい観察眼と論理的思考により、学園内で次々に発生する事件をことごとく解決してしまう『推理力』の高さがその一つ。
そしてもう一つは、
それらの事件で、ことごとく自身が〝犯人扱いされてしまう〟という天性の『間の悪さ』だ。

素行に問題があるわけではない。
率先してトラブルに首を突っ込んでいるわけでもない。
彼女が心から望むものは「おいしいお菓子」と「平穏な日々」だけ。
なのに、どうして……?
ひとたび事件が発生すれば、いつだって真っ先に自分が疑われてしまうのである。

「私は本当にやってないんだって!」

着ぶくれするほどの濡れ衣を晴らし、身の潔白をするため、
そして放課後の買い食いを満喫するため、
彼女は今日も、悲痛な叫びをあげながら真犯人を暴いてゆく。

頑張れ、ムジツさん。
いつか平穏な学園生活が来るその日まで、己の無実を晴らし続けろ――


名探偵にして名容疑者、牟児津真白の受難の日々をコミカルに描いた学園ミステリ。
是非、ご一読ください。
おすすめです。