死んだのは誰か

騎士の姫の恋物語。

……というのは、騎士にとってはあまりに残酷過ぎるでしょうか。


敵わないと思っていた相手。
その敗北を当然を受け止めていたはず。

しかし、その敗北すら彼を裏切る。

そして思うのです。
彼は本当に、ハンカチの秘密に気付いていなかったのか。

姫の祝福を受けた時、彼はハンカチを見たはず。
その時点で実は気付いていた。だけど、気付かない振りをした。自分自身をも騙していたのかもしれません。
だとしたら。その時、死んだのは。喪われたのは彼の騎士の誇りだっだのでしょう。

ヴェールの向こうの、人の心の暗がりを覗き込むような物語。

お楽しみ下さい。

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