死んだのは誰か
- ★★★ Excellent!!!
騎士の姫の恋物語。
……というのは、騎士にとってはあまりに残酷過ぎるでしょうか。
敵わないと思っていた相手。
その敗北を当然を受け止めていたはず。
しかし、その敗北すら彼を裏切る。
そして思うのです。
彼は本当に、ハンカチの秘密に気付いていなかったのか。
姫の祝福を受けた時、彼はハンカチを見たはず。
その時点で実は気付いていた。だけど、気付かない振りをした。自分自身をも騙していたのかもしれません。
だとしたら。その時、死んだのは。喪われたのは彼の騎士の誇りだっだのでしょう。
ヴェールの向こうの、人の心の暗がりを覗き込むような物語。
お楽しみ下さい。