記憶の中の面影の為に、青年は今日もナイフを走らせる

非人道的な実験の末に生み出された人ならざるもの、魔女。主人公のエドウィンはそれらを狩りながら、魔女を生み出す者に攫われてしまった妹を探しているのでした。ある時、そんなエドウィンが出会ったのは理性を保った魔女、メイで……。

なんと言ってもこの物語の特徴は、とても美しい文章で紡がれていく世界観です。日本語ならではの美しさと共に紡がれていく文章は、簡単にこちらの想像を掻き立ててくれます。その作者様の豊富な語彙力にこんな言葉があったのか、と驚きと感心と共に読み進めてしまいました。

また物語そのものもとても魅力的で、濃厚で思わず手に汗握る戦闘シーンや、心を揺さぶる様な登場人物たちの会話など、隅から隅まで楽しめる作品です。特に四章で交わされた会話やモノローグは息を飲むほどに美しく、思わず何度も読み返し、何度も涙を流しておりました。

時折残酷描写などもございますが、苦手な私でもそんな事は気にならない程に優美な文章、皆様も是非御一読下さいませ!