少年が神話の里で見出したものは

母を恨んできた、1人の内向的な、しかしながら怜悧な少年。
彼は東京を離れ、おじの住む、宮崎の銀鏡(しろみ)地区にやってきた。
そこで、古くから伝わる文化に触れながら、そこに住まう人たちと交流しながら、自分を見出していき……。

文章は流麗で、それだけでも芸術的な作品と言わせるくらい際立っています。
神話の地、神秘的な宮崎の里とマッチしていて、かつ、少年の感情の機微を、これでもかという繊細な筆致で余すことなく表現されています。