イワナガヒメ最期の地で、僕は舞う。

 日本人の寿命の起源譚であるイワナガヒメとコノハナサクヤヒメの物語は、有名ですが、その物語には後日談があった。その後日談を伝えているのが、銀鏡という土地だった。
 母との関係に悩む美少年の主人公は、銀鏡という土地に引っ越してきた。そこで少年は銀鏡神楽を舞うことになる。荘厳な舞に苦心し、自信を無くしながらも、主人公は神楽を舞う。少年に付き纏う幻覚や、複雑な人間模様。それらを断ち切らんばかりに。
 母との確執や進路の問題。銀鏡で出会う人々。
 ヒメの幻想と幻聴の呼び声。
 それらが混然一体となった、素晴らしい作品でした。

 強靭な語彙力に裏打ちされ、瑞々しい感性が発揮される表現力。
 そしてその表現を文章に落とし込む、確かな文章力。
 全てが一級品でした。
 まだご覧頂いていない方は、本当にご覧頂いた方がいい。

 是非、是非、御一読下さい!