望みは、現実の世界に戻って大好きな乙女ゲームの続編をプレーすること!

 お気に入りの乙女ゲームのイベントに参加した帰り道。主人公は歩道橋から落ちかけた人を助けます。でも代わりに彼女自身が歩道橋から落ちそうになり、そこで意識を失います。

 そして次に目覚めた時。彼女は大好きな乙女ゲームの世界の悪役令嬢イレーネになっていました。

 イレーネは破滅回避に失敗し、とある罪で悪女と断罪され、獣落ちの刑に処されてしまっていて、しかも獣落ちの刑の影響か、彼女は記憶の大部分を失っていました。

 そんな、獣落ちして記憶も失ったイレーネさんですが、聖獣として乙女ゲームでの最推しキャラである王子ハクウンさんに仕えることになります。

 登場人物のキャラクターはみんな個性的で魅力的です。情景描写も丁寧に描かれていて、読み応えもあります。

 乙女ゲームの悪役令嬢になったイレーネさんには『とある目的』がありました。

 この目的を達成するために、イレーネさんはある時は攻略キャラたちと良い関係を築こうと努力し、ある時は魔物退治に勤しみ、そしてある時は恋に悩みます。

 何度倒しても蘇る甲胄の悪魔。そのバトルシーンは迫力満点で臨場感もあり、ハラハラは止まりません。
 
 そんな鬼気迫る戦いの中、イレーネさんはある真実に辿り着きます。

 ――甲胄の悪魔の狙いは女性ではなく、貴族の令嬢や貴族階級の女性がもつ『白のアウラ』ではないかと。

 ――神殿の法具の『濃化の小瓶』を盗んで甲胄の悪魔に渡した黒幕は誰なのか……?

 果たして主人公《イレーネ》は現代に戻り、念願の目的を叶えることができるのか。

 ドキドキハラハラする展開あり、バトルシーンも恋愛要素も含むエンタメ作品です。


 (第63話 人のモノを盗むなんて良くないよね? え? お前が言うなって? 拝読後のレビュー)

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