【完結】いちご風味のカレーライス

 唐突ですが、本項をもって、このエッセイは一旦完結とさせていただこうと思います。

 ご愛顧くださった皆様、ありがとうございました。


 完結させようと考えた理由は、いろいろありますが、そのうちのひとつとして、「書き始めた当初と比べて、いろいろなものが変わってしまった」

 というのがあります。

 自分のエッセイを最初から読み返してみましたが、この頃は勢いがあったなあと我ながら思います。当時から状況が変わって、忙しくなってしまったし、自分もいろいろな気分の波があって、以前ほどにはエッセイのネタをうまく拾えなくなってきたし、最初の頃に比べると最近のエッセイはちょっとエネルギーが落ちてきているなあと、自分でも思います。

 そもそも「ネタがあったときだけ」と銘打ってはいましたが、ブランクも開きがちになってきたし、それならいっそ完結させてしまって、新しくエッセイが書きたくなったときに、仕切りなおそうと考えた次第です。エッセイ集をつくり直すのか、単発のエッセイにするのか、そこはまだ決めておりませんが。またいつか「やっぱり書きたい」と思う時まで、エッセイはしばらくお休みしようと思います。


 エッセイに限らず小説でも、状況や気分の変化によって、書きたいものが変化してくるものなのだなあと思います(当たり前ですが)。書きはじめの頃は、よくもこんなネタを拾ってエッセイにできたなあと(💧)。現在は、当時と比べて時間的に余裕がなくなってしまったし、ネタを拾ってもエッセイに練る気分的余裕がちょっとなくなってきているようです。


 ただ、エッセイというものは初めて書いたのですが、ありがたいことに想像以上の方に読んでいただけました(今見たらPVが二千に届きました!)し、フォローも♡も☆もたくさんいただけました。そして、寄せていただいたコメントの数々。ああ、自分の書いた文章を読んでくださって、感想とか、ご自身の経験とか、こんなにたくさん書いていただけるなんて、しかもそれがまためっちゃ面白くて。このエッセイの主眼は本文よりも、いただけるコメントの方なんじゃないかと思うほど、楽しみにさせていただいておりました。こんなに楽しかったのに、一方的に閉めてしまうのは心苦しく申し訳ないのですが、管理的立場で申し上げますと、新しい項もコンスタントに書けていなくてだらだらしちゃって、これいつまでも放っておくのもちょっとどうなの、その方が逆にみっともなくて申し訳ない、……と判断するに至りました。


 読んでくださった皆様、

 応援してくださった皆様、

 本文以上に面白いコメントを寄せてくださった皆様、

 本当に、ありがとうございました。

 またいつか、機会がありましたら、お立ち寄りいただけますと幸いです。


     〇


 ……オチがないのは寂しいなと思ったので、小噺をひとつ。


 今夜の我が家の夕食の話です。

 過日、あるところから、いちごのスパークリングワインをひと瓶、いただきました。

 ところが我が家、ワインをたしなむ者がひとりもおりません。

 消費されないまま数か月……。お世辞にも広いとは言えない我が家、なんとか消費しないと。しかしいちご味か。いちごジャムを作るのに使えればいいんだけど、いちごの季節じゃないし。カレーになら使えるんじゃない?

 ……というわけで今夜、カレーライスを作ることにしました。煮込む段になって、このスパークリングワインをそっくり、どぼどぼと鍋に入れて煮込んだわけです。アルコールといちご風味が飛んでくれることを期待して。


 ……甘うございました。いろんな意味で。

 アルコールはともかく、いちご風味はしっかり残っておりました。

(いちごの香料というべきかもしれませんが)

 ルーを溶かしても、たちこめるいちごの香り。

 ひとさじ口に含んで、家族全員「うっ」と思ったものです。

 カレーが敗北するのを初めて経験しました。

 鍋に倍のルーを溶かし込んで、ようやく落ち着いた味になりました。フレッシュないちご風味のカレーから、煮込んで味に重心ができたいちごジャムを入れたカレー、程度には……。

 幸い、今回作った量はそう多くないので、このくらいの味なら2~3日くらいに分けて完食できそうです。


 教訓:カレーは無敵ではない。


 ではまた。





(了)

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ふぞろいメモパッド 三奈木真沙緒 @mtblue

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